企画展 2F デルヴォーとベルギーの美術 姫路市立美術館の収蔵品を中心に

2000.3.28 [火] - 5.7 [日]

ベルギーという国のことを、どのくらいご存じですか。首都はブリュッセル。ヨーロッパの十字路として、かつては複雑な歴史をたどった国でした。現在でも、南部のワロン地方ではワロン語(フランス語とほぼ同じ)が、北部のフランドル地方ではフラマン語(オランダ語とほぼ同じ)が公用語として使われています。有名な『青い鳥』は、この国のメーテルリンクが書いた戯曲です。
近代の美術では、19世紀末に開花した象徴主義のジェームズ・アンソール、20世紀ではパリの動向を受けて展開した超現実主義のポール・デルヴォーやルネ・マグリットなど、日本でもよく知られた作家が活躍しています。これらの作家たちは、師弟あるいは友人として少しずつ影響しあいながら、ベルギー美術の特色ともいえる、豊かな暗示力を秘めた幻想絵画の系譜を形成しました。たとえばデルヴォーは、はじめアンソールの手法を学びましたが、のちにマグリットなど超現実主義の作品に感銘を受けます。現実世界に束縛されない、静寂な白昼夢のようなデルヴォーのスタイルは、このような出会いによってもたらされているのです。
この展覧会では、姫路市立美術館が収蔵する油彩、ドローイング、版画、彫刻に加え、兵庫県立近代美術館と伊丹市立美術館からも特別出品いただき、神秘的な雰囲気をたたえたベルギー美術の魅力をご紹介いたします。なお姫路市立美術館は、姫路市とベルギーのシャルルロワ市が姉妹都市であることから、デルヴォーを核としたベルギー近・現代美術の充実したコレクションを築いています。

会期

2000.3.28 [火] - 5.7 [日]

休館日

月曜日、7月21日(金)

観覧料

一般570円(470円)、大高生470円(360円)
※( )内は20名以上の団体料金。
※中学生以下と65歳以上、障害者手帳をお持ちの方(付き添い1名を含む)はいずれも無料です。展覧会入場時に確認いたしますので

主催

埼玉県立近代美術館

協力

姫路市立美術館

グザヴィエ・メルリ《イタリア・ルネッサンス》1890-92年 姫路市立美術館蔵

ウィリアム・ドグーヴ=ド=ヌンク《夜の中庭あるいは陰謀》1895年 姫路市立美術館蔵

フェルナン・クノップフ《女性習作》1900年頃 姫路市立美術館蔵